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医療機器の種類は?定義・具体例や必要な届出も解説

医療機器は、MRIのような大きなものからメスのような小さなものまで、多くの種類があります。また、医療機器に不具合が起こった場合の人体に及ぼす影響も様々です。

医療機器の品質管理を行い安全性を確保するためにも、様々なルールが決められています。
医療機器に関する法律では、「製造販売業」「製造業」「販売業・貸与業」及び「修理業」に区分され、それぞれ規制があるため理解しておくことが重要です。

そこで今回は、医療機器の定義をはじめ、医療機器の種類、販売業・貸与業の届出や許可、医療機器機の処分について解説します。医療機器について理解を深めたい人は、ぜひ参考にしてください。

 

1.医療機器とは?法律上の定義

医療機器は、病院などで使用されるメスや注射器などの医療用具や、超音波断層装置などの検査、診断に使用する機器のことです。

スポーツジムなどにあるトレーニング用のマシーンは人体に影響を与えると考えられますが、政令で定められているものではないため「薬機法」の医療機器とは区別されます。

「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

医療機器は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」により、上記のように定義されています。この法律は薬事法と略されることが多く、2014年に改正されてからは、一般的に「医薬品医療機器等法」や「薬機法」と呼ばれています。

 

2.医療機器の主な種類

医療機器は種類によって、「一般医療機器」「管理医療機器」「高度管理医療機器」の区分があります。
また、以下の表のように、医療機器の使用において人体へのリスクに基づいたクラス分類があります。これは、医療機器の取り扱うための必須知識となる分類です。

クラスⅠ
(一般医療機器)
不具合が生じた場合、人体のリスクが極めて低いと考えられる医療機器。
クラスⅡ
(管理医療機器)
不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的低いと考えられる医療機器。
クラスⅢ
(高度管理医療機器)
不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられる医療機器。
クラスⅣ
(高度管理医療機器)
患者への侵襲性が高く、不具合が生じた場合、生命の危険に直結する恐れがある医療機器。

ここでは、それぞれの医療機器の定義・概要・具体的な品目について紹介します。

 

2-1.一般医療機器

「一般医療機器」には、副作用や機能の障害が生じたとしても、生命及び健康に影響を与える恐れがほとんどない医療機器が指定されています。

【定義】

「一般医療機器」とは、高度管理医療機器及び管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

【具体例】

  • 経腸栄養注入セット
  • ネブライザー
  • コレステロール分析器
  • 聴診器
  • 血圧計
  • X線フィルム
  • 血液ガス分析装置
  • 医療用吸引器
  • 歯科技工用用品
  • 水銀柱式血圧計
  • 手術用不織布
  • 鋼製小物(メス・医療用はさみなど)

 

2-2.管理医療機器

「管理医療機器」には、使用による副作用や機能の障害を受けた場合、生命や健康に影響を与える可能性がある医療機器が指定されています。

【定義】

「管理医療機器」とは、高度管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

【具体例】

  • X線撮影装置
  • CT診断装置
  • 超音波診断装置
  • 電子内視鏡
  • 心電計
  • パルスオキシメーター
  • 注射針・採血針・真空採血管・造影剤注入装置
  • 輸液ポンプ用輸液セット
  • レーザー治療
  • 電子体温計
  • 家庭用電気治療器
  • コンドーム

 

2-3.高度管理医療機器

「高度管理医療機器」には、使用することによる副作用または機能の障害が生じた場合、生命及び健康に重大な影響を与える恐れがある医療機器が指定されています。

【定義】

「高度管理医療機器」とは、医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合(適正な使用目的に従い適正に使用された場合に限る。次項及び第七項において同じ。)において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

【具体例】

  • 人工透析器
  • 人工骨頭
  • 人工呼吸器
  • 人工心肺装置
  • 冠動脈ステント
  • 体外式結石破砕装置・汎用輸液ポンプ
  • ペースメーカー
  • 機械式人工心臓弁
  • 冠動脈ステント
  • 吸収性縫合糸
  • 人工乳房
  • ビデオ軟性血管鏡
  • 中心静脈用カテーテル
  • コンタクトレンズ

 

3.【種類別】医療機器の販売業・貸与業の許認可

医療機器は、誰もが販売できるものではありません。医療機器を販売・貸与する場合、医薬品医療機器法に基づき、取り扱う医療機器の分類に応じた届出や許可が必要です。

医療機器は、一般医療機器・管理医療機器・高度管理医療機器に分類されるだけでなく、管理に専門的な知識や技能を必要とする「特定保守管理医療機器」という区分もあります。
「高度管理医療機器」と「特定保守管理医療機器」の販売・貸与を行う場合は許可制度があり、販売業者の許可要件や遵守事項が定められています。

ここでは、それぞれの医療機器の販売及び貸与業の届出と許可、遵守事項について説明します。

 

3-1.一般医療機器は届出は不要

一般医療機器を販売・貸与する場合は、特に届出は必要ありません。ただし、クラスⅠやクラスⅡに分類される医療機器であっても、特定保守管理医療機器に分類されているものは、「販売業・貸与業の許可」が必要となるため注意が必要です。

改正された薬機法には、品質確保義務や苦情・回収処理、外観検査実施など遵守事項が強化された安全対策が盛り込まれています。

 

3-2.管理医療機器は届出が必要

管理医療機器を販売・貸与する場合は、「販売業・貸与業の届出」が必要となります。営業所の所在地の都道府県知事(保健所を設置する市の市長・特別区の区長)から、販売業または貸与業の許可を受けなければなりません。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

改正された薬機法では、外観検査の実施や中古品販売時の元売業者からの指示の遵守事項が加えられた、安全対策を行うことを義務付けています。

 

3-3.高度管理医療機器は許可が必要

高度管理医療機器を販売・貸与する場合は、営業所の所在地の都道府県知事(保健所を設置する市の市長・特別区の区長)から「販売業または貸与業の許可」を受けなければなりません。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

高度管理医療機器販売・貸与の業務を行うためには、下記のいずれかをクリアする必要があります。

  • 医療機器の販売や貸与に関する業務を3年以上行った後、厚生労働省が定める基礎講習を受講する
  • 厚生労働大臣が、厚生労働省で定める基礎講習と同等以上の知識や経験を有すると認める

高度管理医療機器では、薬機法によって管理者設置義務、管理者の責務が明確化されています。その他、外観検査の実施や納品先の記録作成・保管義務、中古品販売時の元売業者からの指示を遵守することが義務付けられています。

 

3-4.特定保守管理医療機器は許可が必要

特定保守管理医療機器とは、保守管理や修理に専門的な知識が必要で、適正な管理が行われなければ疾病の診断や治療、予防等に著しい影響を与える恐れがある医療機器です。

特定保守管理医療機器は、高度管理医療機器とは限りません。
管理医療機器や一般医療機器であっても、特定保守管理医療機器に指定されているものがあります。例えば、「X線撮影装置」「CT装置」「心電計」などです。

特定保守管理医療機器を販売・貸与する場合は、営業所の所在地の都道府県知事(保健所を設置する市の市長・特別区の区長)から、「販売業または貸与業の許可」を受けなければなりません。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

高度管理医療機器を販売・貸与する場合にも必要とされる「販売業または貸与業の許可」は、6年ごとの更新を受けなければ効力が失われるため、更新時期には十分に注意してください。

 

4.各種類の医療機器を処分したいときは?

医療機器は、血液や化学物質などが付着している可能性があるため、一般のごみと一緒に処分することができません。
決められた方法で処分しなかった場合、感染症を引き起こし環境へ悪影響を与える可能性があります。また、処分に関するルールを守らなければ罰せられる恐れがあるため、処分方法においてもしっかりと注意しなければなりません。

しかし、医療機器を処分するときは、専門業者に依頼する必要があるため、膨大な費用がかかります。

タケメディカルでは、リーズナブルな価格で医療機器の解体・撤去作業を行っています。また、日本全国に対応しており、医療機器の買取や医療機器以外の備品も撤去が可能です。

タケメディカルは、責任を持って全ての作業を自社で行っています。迅速かつ丁寧な対応で安心して依頼できるため、医療機器を処分する際は、ぜひタケメディカルの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

医療機器は、一般医療機器・管理医療機器・高度管理医療機器の3つに区分されており、医療機器の使用においても、人体へのリスクに基づいてⅠ〜Ⅳまでクラスが分類されています。

医療機器の「販売業・貸与業」に従事する場合は、分類に応じて届出や許可が必要です。扱う医療機器がどの分類にあたるか、届出や許可についても把握することが重要となります。
薬機法が改正された後は安全対策が強化されているため、医療機器の販売・貸与業における遵守事項が厳しくなっていることもポイントです。

医療機器の処分に関するルールを守らなかった場合、罰せられるリスクがあります。医療機器を処分する際は、リーズナブルな価格で医療機器の解体・撤去作業を行っているタケメディカルの利用を検討してみてください。