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医療機器運搬のポイントとは?信頼できる業者の選び方も紹介!

病院を移転したり改修したりする際には、医療機器を別の場所まで運搬する必要があります。医療機器は高価なものが多いだけでなく、精密機械や大型のものもあるため、個人で安全に運搬することは難しいと理解している方も少なくありません。

医療機器の運搬は、事業内容としているプロの業者に任せることがおすすめです。
当記事では、医療機器の運搬をプロに任せるメリットや運搬業者の選び方、運搬時の注意点を解説します。医療機器の運搬を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.医療機器の運搬はプロに任せるのがおすすめ!

医療機器は運搬が困難なものばかりでなく、メスや体温計・血圧計など小さいサイズのものもあります。しかし、一見すると手荷物として運搬できるものでも、故障や怪我を防ぐためにプロに任せることがおすすめです。
ここでは、医療機器の運搬をプロに任せるメリットを3つ紹介します。

 

1-1.時間・お金・手間を削減できる

個人が医療機器を運搬する場合、重量物を積載するためにトラックを借りて、安全に注意して運ばなければなりません。個人が医療機器を運搬すると3つのムダが発生してしまいます。

  • 車両レンタルや運搬にかかる時間
  • 車両レンタルや機器故障でかかるお金
  • 安全に運搬する手間

業者に運搬を任せた場合は車両のレンタルが不要です。安全輸送を約束してくれるため手間やお金がムダにならず、医療関係者の方が日常業務を行ううちに目的地へ運搬してくれます。運搬業者は長距離輸送にも対応しており、時間・お金・手間を削減できることは大きなメリットです。

 

1-2.医療機器運搬に最適な装置や車両を利用できる

医療機器は一般貨物と異なり、トラック輸送時の大きな揺れやホコリに弱いものもあります。個人では運搬が困難な故障しやすい医療機器も、業者に運搬してもらえば安心です。運搬業者の中には、医療機器の輸送サービスに適した車両や特別な装置を整えているところもあります。

大型医療機器などの重量物輸送ではクレーン車が活躍し、振動に弱い医療機器に対してはエアサス車のように荷台振動を軽減する車両が必要です。梱包・搬出時にクリーンルームを利用できる業者であれば、精密機械にホコリが付着する心配もありません

 

1-3.湿気対策をして運搬できる

医療機器を運搬する業者の中には、運搬する際に湿気対策を行ってくれるところもあります。空調の効いた院内から屋外へと運搬するため、医療機器の外装はもちろん内部まで入り込む湿気には注意が必要です。
とくに精密機械の電子基板は湿気で劣化が早まるため、医療機器の運搬は湿気対策を行う業者に依頼しましょう。

 

2.医療機器の運搬業者の選び方

運搬業者といっても、中には医療機器専門ではなく物流サービスと兼業の企業もあります。業者によってサービス内容や料金が異なるだけでなく、運搬上の配慮や医療機器管理に慣れているかが異なるため、業者の情報を精査しなければなりません。
ここでは、医療機器の運搬業者の選び方を4つ紹介します。

 

2-1.運送業者貨物賠償責任保険に加入している

運搬業者はプロであるものの、人為的なミスによって医療機器が破損・故障するケースもゼロではありません。医療機器の破損・故障は高額な損害となってしまうため、運搬業者が「運送業者貨物賠償責任保険」に加入していることをチェックしましょう。

運送業者貨物賠償責任保険とは、運搬中の偶発的な事故によって貨物に損害が生じた場合、保険会社から運搬業者へ保険金が支払われる保険サービスです。運搬業者は保険金を損害賠償金に充てられるため、運搬を依頼した方の損害を小さく抑えられます。運送業者貨物賠償責任保険に加入しているところは、万が一の事故にも備えがある運搬業者です。

 

2-2.運搬時の破損への対策がある

大切な医療機器を運搬する以上、破損しないことが一番です。安全を重視する医療機器の運搬業者は、実際に搬出・運搬する前に運搬の計画を立てます。運搬の計画を立てる際に設置されている医療機器の状態と設置先の状況を現地調査するため、運搬時の破損発生を極力減らすことが可能です。

運搬業者が行う破損への対策としては、主に下記のものが挙げられます。

  • 医療機器が設置されている状態や形状の確認
  • 搬出・搬入ルートや輸送方法の確認
  • 医療機器の防護
  • 搬出・搬入ルートにある院内設備の養生

たとえば搬出で使用する通路に曲がり角がある場合、機材が直接当たらないよう角にクッション材を当てておきます。医療機器だけでなく、施設側も傷付けない配慮をしている運搬業者がおすすめです。

 

2-3.医療機器・精密機器の組立・解体に精通している

大型の医療機器・精密機器はそのまま運ぶことが難しいため、運搬前に解体して現地で組立を行います。そのため、運搬業者が医療機器・精密機器の構造に詳しく、組立・解体経験が豊富であることを確認しましょう。

医療機器には高額なMRI用コイルや、破損しやすいX線撮影に用いる管球など、組立・解体にも細心の注意が必要な部品を使用しています。組立・解体で失敗しないためには、信頼できる業者に依頼することが一番です。

 

2-4.医療機器輸送の諸費用も含めた見積もりをくれる

医療機器の運搬では、実際に行う作業工程によってさまざまな費用が発生します。下記は発生する費用の一例です。

  • 運搬費用
  • 車両費用
  • 解体費用
  • 梱包費用
  • 組立費用
  • 設置・据付費用
  • その他費用(養生・清掃など)

運搬業者から見積もりを取る際は、見積書に必要な費用全てが記載されていることを確認してください。見積額として基本的な運搬費用のみを提示する業者は、作業後に別途金額を請求される可能性があります。

優良な運搬業者は諸費用を含めた見積もりを出してくれるため、作業後の請求額と見積額にズレが発生しません。

 

3.【医療機器別】運搬時の注意点

最後に、運搬時の注意点を医療機器別に紹介します。

●MRI

MRIはコイルがあるリング状の本体部と人が横たわる寝台部、コンソール部の3つに分けて運搬することが基本です。重量がある精密機器のため、全体を防護用のフィルムに包んだ上でフォークリフトや小型クレーンを利用してトラックに積載します。

●CTスキャン

MRIと同様に、本体部・寝台部・コンソール部に分けて運搬します。CTスキャンの本体部にはX線管球と検出器が内蔵されているため、破損が起こらないよう梱包・搬出に気を付けなければなりません。

●診療台

診療台はシンプルな四脚のものだけでなく、リクライニング機能や高さ調節機能付きなどさまざまな製品があります。多機能な診療台は重量もかさむため、運搬時にはアンカー固定が必要です。また、ストレッチャーより幅のある製品が多いため、搬出・搬入時は院内の通路を傷めないよう注意してください。

●レントゲン装置

レントゲン装置を移設・運搬する場合は電離放射線障害防止規則に基づき、所轄の労働基準監督署へ事前に届出しなければなりません
運搬はユニットごとに分解して行います。組立時に室内と干渉を起こさないよう、設置環境の事前調査が重要です。

●介護用入浴装置

介護用入浴装置は施設建設後に導入されることが多く、搬出・搬入時に施設の間口を通れないケースもあります。間口を通れない場合は、クレーン車で窓や屋上などからの搬出・搬入が必要です。

●高気圧酸素治療装置

大型の医療機器であるため、院内の通路を通れなかったり、エレベーターに入らなかったりするケースがあります。搬出・搬入が難しい場合は、装置の解体が必要です。運搬時には装置の破損を防ぐことはもちろん、耐圧ガラスを傷めないよう振動・衝撃を抑えられる車両を使用します。

 

まとめ

医療機器を個人で運搬することは難しいため、プロの運搬業者に任せることがおすすめです。運搬業者は大型な医療機器の運搬に慣れていて、個人の運搬よりも時間・お金・手間を削減できます。医療機器運搬に最適な装置や車両を保有していたり、湿気対策に配慮したりする業者も少なくありません。

医療機器の運搬業者はポイントを精査して選びましょう。運搬時の破損対策はもちろん、運送業者貨物賠償責任保険に加入しているところは、万が一の事故にも対応してくれます。医療機器の運搬は、組立・解体に精通していて、見積もりをきちんと出してくれる業者に依頼しましょう。